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レシピ

私なりの物語の生み出し方

レシピ

李宛隆之
李宛隆之
公開: 2026/4/11更新: 2026/4/23

はじめに

私が書く物語は主に二種類に分かれる。

唐突に思いついて、アイデアそのままに書いてしまうものが一つ。もう一つはテーマがあってそこから生み出すパターンだ。今回はテーマありきで物語の源泉を生み出すその方法-「短編レシピ」を公開しようと思う。



前章 ストーリーレシピ


「短編を書こう」と思って書くか「アイデアを思いついた」となって書くかで、何を題材にするかが変わる。「短編を書こう」と思って書く場合は、たいていテーマが決まっているのに何もアイデアが出てこないこと(テーマがない場合も含めて)が多いだろう。今回はそんなときのために、ジャンルやテーマなど外枠から決めていこうと思う。


<テーマ

テーマの決め方は様々ある。

  • 日常生活やインプットしたものから思いつく”単語”

  • 場面と主人公の属性を決めて

  • 広辞苑や単語ガチャで3つ無作為な単語を選んで

  • 曲を決めて

  • 花言葉

  • 起承転結の"転"となる出来事だけ決める

  • 初めの一文を決める

ざっと挙げられるのはこんな程度だろう。


今回は一番上の選択肢をとる。

思いついた単語をテーマにするという取っ掛かりは、自由度が高く制限もないため、初心者でも簡単にできると考えている。季節から連想するなら「出会い」「別れ」「雪」「若葉」「桜」など様々あるし、最近流行りのAIにキーワード出しを頼むのも一つの手だろう。


これは私的な話だが、今「司法・犯罪心理学」という授業の最中だ。そこから派生して「万引き」をテーマにしようと思う。



<ジャンル

好き嫌いを問わず、まず全てのジャンルを書き出してみるのが重要だ。その上で、自身の得意分野と苦手分野を見極める。私の場合は、プロットを書かないという特徴も影響して、ミステリーや恋愛が苦手だ。そのため、ジャンルはそれ以外に決定することが多い。

また、経験上ジャンル先よりテーマ先の方が書きやすいだろう。テーマから生じるあらゆる方向性を狭めないように、ジャンルは決めないで書き出す場合もある。つまり、この工程は任意だ。


  • ホラー

  • 歴史

  • 青春

  • スポーツ

  • ファンタジー

  • SF

  • 日常

  • ヒューマンドラマ

他にもあるかもしれないが、一旦こんなものにしよう。


ジャンル別の書きやすさは人それぞれで、今まで触れてきたものや好みによって変化する。ただ、往々にして歴史ものは下調べが必要なため、時間と手間がかかるだろう。



<ストーリーの特徴

今回書くのは短編である。

舞台はどこでもいい。

日常の何気ないワンシーンでも、出来事でも。

ただその短い中に起承転結を入れる必要がある。

そして、長編にはない魅力を入れ込む必要がある。

つまり、短編を面白くするには、その作品ならではの「interesting」と意外性のある「オチ」が欠かせないということだ。

「Interesting」とは、そのストーリーにしかない面白さだ。


例えば、以下のような日常のワンシーンがあったとする。

「やっと強すぎる雨が止んだ。久々に外へ出てコンビニへ行く。空を見ると紫と橙が混じったような綺麗な色をしている。私は無性に写真を撮りたくて、コンビニを通り過ぎて道を進む。

 そろそろ家に帰ろうと踵を返したとき、空を見上げると家々の間に満月が見えた。雨と曇天に終わりを告げているかのように、それは煌々と輝いていた。」


空の移り変わり、情景描写はあるが、そこに面白さはない。淡々とその事実があり、”私”がどう感じているかのみがある。面白さとは笑うようなものではない。読者の目を引き付けるような奇抜さに近い。特異性とでも言うべきか。


上の文に奇抜性を加えるとしたら、例えば、


「空を見上げると家々の間に満月が二つ見えた。目をこする。近づく。見通しのいいところに行っても二つに見える。山吹色の円は隣り合っている。頬をつねる。痛い。夢じゃない。私はどこに迷い込んだ?」


「私は無性に写真を撮りたくて、コンビニを通り過ぎて街へ進む。撮った写真を何気なく見返すと、電信柱のそばに白い服を着た少女の姿があった。私は咄嗟に振り返る。誰もいない。もう一度写真を見てもやはりいる。恐る恐る電信柱に近づく。何かが落ちている。しゃがんで拾うと、萎れた一輪の花だった。」


のように、読者に読みたいと思わせるような展開を作ることができるだろう。ジャンルはそれぞれ異世界譚やホラーといえるか。後者に関してはその少女の属性によって、ホラーかファンタジーかヒューマンドラマかと、様々な方向性があるだろう。読者もこの続きを様々イメージできる。



「オチ」も重要だ。


ここで言う「オチ」とは笑いという意味ではない。上の文で言うと、

「その月に見惚れて一枚写真を撮った。私はそのまま家に帰った。」


のように、展開や発展をフッたのに何も起こらず結末が来ると、拍子抜けしてしまうだろう。始まりの文に対して容易く予想できる終わり方をする短編を読みたいとは思わない。なぜなら日常が日常過ぎるからだ。読者は経験できない非日常を物語に求めている場合が多い。

無論、起承転結があまりない短編やSS(ショートショート)も存在する。ただ、それらを書くのは、一旦起承転結のある物語構成に慣れてからでも遅くないと思う。



<今回のテーマ「万引き」なら…

  • ジャンル:成長

  • 起:少年には万引きをする習慣がある

  • 承:いつしかスリルを味わう行為になった

  • 転:死にかけのマジシャンに目をつけられる

  • 結:青年になった彼はスキルを引き継ぎ、マジシャンになった


上のように箇条書きで書き出してみると、後々あらすじを書く・短編を書く際に膨らましやすいだろう。また、ジャンルを選んでも、起承転結それぞれの出来事が何も出てこないなら、連想ゲームをしてみるのも一つの手だ。「万引き」と言えば、どのような情景を思い浮かべるか。犯罪をしてしまう人それぞれにも背景はあるし、傍観者の目線でも書くことはできるかと思う。これまで歩んできた自分の人生だけではなく、これまで享受してきた創作物から何かしら場面は思い浮かべられるだろう。



後章 あらすじ

ここまでを踏まえた上で、「万引き」というテーマであらすじを作ろうと思う。


「少年は万引きをしていた。最初は母がいつも家にいなかったので、朝食を手に入れるために店員の目を盗んで物を盗んでいた。ただ、少年が成長していくにつれ、生きるための行為がだんだんスリルを味わう行為に変わっていった。店員の目を盗んで、防犯カメラの位置を把握してどこまで盗めるか。距離・大きさの2次元をどれだけ高められるかに挑戦するようになった。ある日、いつものコンビニで、見たことのない店員が立っていた。少年はいつものように盗んだ。軽くて小さい駄菓子だ。だが、その店員は少年の万引きを見破った。警察に引き渡さないことを条件に、店員は少年に頼みをした。『私の技術を引き継いでほしい』店員の命の灯はもうすぐ消えるようだ。その前に、店員は自分の培ったスキルを遺したいと考えていた。店員は世界を股にかけるマジシャンだった。

少年は青年になった。青年は目の前の人の視線を誘導してトランプカードを盗む。その技術は生きるために、スリルを味わうために知った手癖だった。青年はふっと笑った。」


あらすじとは大抵始まりだけだが、短編を書きやすくするため、また、別日に書こうとしてもそのときの考えを読み込めるようにするため、箇条書きした起承転結を文章に変えて簡単に書く。今回は「万引き→モノを盗む手癖→目を盗む→マジック」という順序でこのストーリーを生み出した。「万引き」と「マジック」の繋がりは容易く想像できるためあまり奇抜性はないが、文章の癖や物語の展開の仕方、肉付けをどの方向で行っていくかに”自分らしさ”が出るだろう。



おわりに

アイデアとは作家の個性であり脳だ。そしてこのアイデアをどう生かすかは作家の腕にかかっている。伝えたい「Interesting」を入れすぎてしまえば、軸がブレる。「オチ」で「Interesting」を回収できなければ、ピンとこない作品になってしまうだろう。この塩梅は紙一重で、経験を重ねるしかないだろう。経験を重ねてもたまに駄作を作ってしまうかもしれない。


今回は私の脳内を公開した。ぜひ自分だけのレシピを見つけ出してほしいものである。それがその人の魅力になるのだ。


目次

  • はじめに
  • 前章 ストーリーレシピ
  • <テーマ
  • <ジャンル
  • <ストーリーの特徴
  • 「Interesting」とは、そのストーリーにしかない面白さだ。
  • 「オチ」も重要だ。
  • <今回のテーマ「万引き」なら…
  • 後章 あらすじ
  • おわりに

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